相続不動産の放置は絶対NG 固定資産税が6倍になるケースや対策を解説

相続不動産の放置は絶対NG 固定資産税が6倍になるケースや対策を解説

相続不動産の放置は絶対NG 固定資産税が6倍になるケースや対策を解説

2021/07/07

第1話

あなたも土地相続人!? 2023年 相続された家、不動産を放っておけなくなる。 不動産相続に必要な「手続き」と「かかる費用と税金」 そして、放置してしまった場合のペナルティー

息子

電車通期中、朝刊を読んで・・・「民法改正 相続土地の登記義務化。相続人それぞれに固定資産税を課税」。

そういえば、実家の土地・建物どうなるんだ?

 

親父が亡くなったら、母親は・・・ホームに入れても、家が残っちゃうよな。高校まで過ごした家だから大切にはしたいんだけど、空家にしちゃうと・・・。

こ・・・、固定資産税が、ろ、6倍!!!

もしかして、年間にして20万円くらいになちゃうの?

解説者

 そうなんです。賃貸住宅やマンションにお住まいの方、そして持家の方でも、ご自身のご自宅の固定資産税は、さほど気になるものではないですよね。

それは住居用の住宅に対しては、軽減措置がなされているからなんです。

もし、家から人が離れ、空家になってしまったり、家を撤去して更地にしてしまうと、なんと、住居として使用していた時の6倍もの税金がかかってくることになるのです。

しかも、2年後の2023年には、法改正により、相続された土地、建物を必ず相続人が、それを引き継いだ人として登記されなくてはいけないのです。つまり、相続を受けた人それぞれが課税分を負担していくということになるわけです。また、様々なことが、これまでとは違った流れとなっていきます。 

ここでは、そのポイントをみていきましょう。

ポイント1・登記の義務

土地・建物の相続登記の義務化(3年以内に登記)

相続が開始された後、三年以内に登記を行わなければならなくなります。

法律改正前に相続を受けた土地、建物であっても登記をする義務が生じます。


これは、現在無登記のままで放置しているような不動産の登記も行わなければならないということでもあります。ご自身が知らない先祖からの土地に対して、それの課税を受けなければならなくなる事もありうるということです。

いま、各地の法務局から「長期間相続登記等がされていないことの通知」という書面が送られているようです。これは、所有者不明の土地を国が調べ、その土地を受け継いでいる人に対して登記を促すという作業を行っているからです。
ある新聞によると、大正時代に曾祖父が所有し、登記もその曾祖父のままであった土地が該当するということで通知を受けた。自分も全く知らない土地だったということです。

 

 ・相続した土地・建物の登記 3年以内に
 (違反すると過料10万円)
 ・不動産所有者の住所・氏名に変更があった場合の登記 2年以内
 (違反すると過料5万円) 

 

実は、これまで、土地、建物を、相続された人の名義として登記をする義務はありませんでした。
つまり、相続人の誰もが引き受けたくないというような土地や建物は、元の名義のまま何年も何年も、放置しておくことができたのです。

それが、誰も管理しない、手入れをされず長年にわたり放っておかれた街中の空き家といった問題を生み出してしまいました。

 

また、一方で日本が破竹の勢いで工業化へ歩んでいく時代がありました。市街地から遠く離れた山林のなかの山里では、農家の後継ぎとなる若い人がどんどんと街へ出て行きました。

そして、ご高齢の方だけがポツン、ポツンと住まわる、限界集落と呼ばれる地域が、日本じゅうに拡がりました。今日のテレビ番組でおなじみの光景ですね。

そのような山林の土地や、昔の農家のような家も、後世に残された人の名義とされないまま、ずっと放っておかれてしまっていたのが実情です。

 

しかし、これからは、そのような土地・建物も、長年放置するというようなことはできなくなります。これまでも相続を受けた人が土地や建物にかかる税金を納めてはきました。

それに加えて、そのような土地や建物を管理する責任が誰にあるのかがはっきりとしてきます。

 

空家や、山林の荒れ地となることを防ぐといった社会的な意義は理解できますが、一方で、その土地を受け継ぐほうとなる相続人個人の立場からしてみれば、それを管理したりする労力と、責任とった負担をしいられることにもなりかねません。

ポイント2・遺産分割を10年以内に

遺産分割協議に10年の期限。期限内にまとまらなければ、法通りの配分で

これまで、相続人がどの遺産をどれだけ分けるか、その話しあいに期限はありませんでした。そして、ポイント1で解説したとおり、登記をする、しないは、相続を受けた当の本人が決めてよいこととなっていました。

だから、価値が高く、誰でもほしがるような土地や建物には、相続人としても関心が高く、一方で、山間の村里といった場所には、ほとんど誰も関心をよせない、問題としない、放っておくという態度を示してきました。

つまり、銀座の一等地を譲り受ける人たちにとっては、遺産分割は死にものぐるいの必死さで、早く決着をつけようと奮闘するでしょうが、山間や、離島の畑や山林には、なん百年たってもご先祖様のもので良いよと大らかな気持ちで構えていたことでしょう。

 

しかし、これからは、そんな畑や山林にも、ご自身たちの負担がかかってきます。銀座の場合とは正反対の、「あなたが実家から一番近いから引き受けなさいよ」だとか、「長男だから」だとか、「末っ子だから」だとか、よくわからない理由での押し付け合いのような事もおこってくるのかもしれません。

 

そんな、誰がどれくらい、遺産を分けて引き受けるのかといった話も、10年以内にまとまらなければ、法律どおりの割合で引き受けなければならないものとなります。

 

・被相続人死亡

・分割協議

まとまる場合

3年以内に登記

 

まとまらない場合(相続人全員の名義で登記)

10年以内にまとまる 🡪 任意の配分

10年超過🡪法定の配分

第2話

登記のポイントは不動産の管理。法改正の趣旨は放置不動産への対策。

ご先祖からの土地だけど、もうみんな誰も引き取りたくないって。

 

息子たちが都会へ出て行って長くたちます。この里には誰も戻ってはきません。長年がんばってきましたが、まわり近所の集落も人が減ってしまい、長年営んできた自動車や農機具の整備の仕事も、ずっとお休みしています。夫も仕事もそうですが、自動車の運転ができるような年齢ではなくなってきました。都会で立派になった息子たちは、都会ちかくのホームで余生を過ごさせてくれると言ってくれました。

 

そんな息子、娘に少しでもの足しにしたいと、里の家を譲ることにしました。

 

会社で偉くなってホームのお金を出してくれるといってくれた次男に話しをすると、家は長男が引き継ぐものだから、兄に話をしてと言われました。その時は、よくできた子に育ってくれたと感心していました。長男に話をすると、余裕がないから僕には無理だよ、と言われました。長男は県立高校を卒業したあとに、工業団地の工場に就職をして、家族とともに長く会社の社宅に住んでいましたが、定年退職のときに、工場ちかくに平屋建てのマイホームを建てました。定年延長でまだ工場に勤めているしっかりものです。遠慮しているのだと思って、工場にしている土地をあげるのだから、ものの足しにはなるよと言っても、頼むから妹に話をして、と言われてしまいました。

 

娘には、もともと工場を継がせるつもりはありませんでした。苦労が多い田舎の整備屋なんかよりも、都会のサラリーマンに嫁いでもらうほうが娘のためと思っていましたし、そうなりました。今はホームセンターでパートの共働きをしながら中学生の孫を育てている最中です。

 

そんな娘にも、兄ふたりが要らないというんだから、全部あげてもいいんだよ、と言ってしまいました。そうすると、娘が全部なんて絶対いらない。兄たち、全部私に押し付けようとしてるんだね、と大きな声で言われたのでびっくりしました。そして、お母さん、うちの子はまだ中学生だから、塾のお金とかかかるし、高校も看護科にいきたいといっているから、まだまだこの先、学費もかかる、と言われてしまい、もう何がなんだかわからなくなってしまいました。

 

お父さんは、人がいいのか、息子娘のいうことはわかる。こんな田舎じゃあ、この土地も家も売るに売れん。そりゃあ、かえって迷惑だろう。この土地も家もぜんぶ自分のものにしているから、死んだあとでも変えなかったらいい。ちょっと税金はかかるかしらんが、しれたもんじゃ。その後はなんも迷惑はかけんからな。

解説者

お母さんのお気持ちはわかります。だけれども息子さん、娘さんの事情もよくわかるのです。

 

相続土地の登記に期限が設けられることは、みなさんご存じですよね。

土地や建物を相続され、所有者となった人に、固定資産税などの税金がかかるのは当然ですし、それ以上に、その土地、建物を管理していかなければなりません。

固定資産税でいえば。整備工場をされていたような事業用の土地ですと、一般的な住居(敷地面積が200㎡以下)の6倍もの固定資産税がかかってくることもあります。

固定資産税の計算のしかたをざっと見てみましょう。


固定資産税 = 課税標準額(土地・建物の評価額)× 1.4%


課税標準額というのは、土地・建物に対する評価額です。
土地の所有者に送られる「固定資産税納税通知書」で確認できますね。
もし、手元になければ、市町村役場の台帳を閲覧することでも確認できます。

それに、マイホームなど居住を目的とした土地であれば、特例で割引が受けられるという仕組みです。

住宅用の土地への特例(割引き)
小規模住宅用地(200㎡以下の部分):課税標準×1/6
一般住宅用地(200㎡超えの部分) :課税標準×1/3
但し、建物の課税床面積の10倍が上限

お父さんの工場のように、営利目的の工場やお店と、住居が一緒になった家を「併用住宅」といいます。
この併用住宅の場合、建物の構造や、住居が占める割合によって、特例の適用率、つまり、割引率が変わってきます。

住居用の土地への減免

すべて
居住するための面積の割合
割引率
専用住宅
すべて
100%
地上5階以上の耐火建築物である併用住宅
4分の1以上2分の1未満
2分の1以上4分の3未満
4分の3以上 
50%
75% 
100% 
上記以外の併用住宅
4分の1以上2分の1未満 
2分の1以上 
50% 
100% 

 もし、このまま兄弟のあいだでも話がつかないまま、お父さんが遺言書も残さず、亡くなってしまったら、法律の割合に従って、土地の持ち分も分けられ、それぞれが、その後所有していくことになります。

 お母さんが、半分、 兄弟姉妹が3人いるので、のこり半分を三等分、です。

もし、お父さんが残す「お金」や株式などの「有価証券」など一切をも相続しないという決断があれば、「相続放棄」を3か月以内に申し出ることもできます。

しかし、これはお父さんに多額の借金などがあって、いわゆる負の財産を引き受ける運命が重くのしかからない様にするための手段ですよね。
それに、このご実家は、いまや田舎の寒村になってしまった場所にあって、土地・建物の評価額もさほどでもなく、毎年の固定資産税も4人で負担していけば、そう苦労するものでもないかもしれません。

また、これまでも、受け継いだ土地・建物を、登記しなくても、相続人に税金はまわってきました。

では、登記をすることによって、何がかわるのか、ということになりますが、やはり、それは「管理」です。

今回の法改正の趣旨じたいが、誰のものかはっきりせず、ほったらかしにされてきた土地、建物を、きっちり誰の所有物かはっきりさせて、その人たちに管理してもらおうということですから、そうなることは当然ですよね。
 

第3話

相続不要の不動産の国や市町村への寄贈という手段は?

次男

みんなに集まってもらったのは・・・、
先日、お母さんから、里の家のことで話があったと思うんだけど・・・。僕もふくめて、難しいんだよね。


お父さんとお母さんを街のホームに入れるのは、大丈夫。僕が引き受けられるよ。だけど、家なんだよね。


家を崩して更地にしてしまえばいいかなとも思ったんだけど、そうすると、税金が高くなってしまうんだ。空き地じゃなくても、このごろは空き家にしておいても、空き地と同じだけの税金がかかってくるんだよね。


それだけじゃなくて、名義をきちっとしきゃならなくなってくるんだ。
法律が変わって、それぞれ引き継いだ人に、登記ということをしなくちゃいけなくなるんだ。

最近は新聞もとってなかったから、知らんかった。

近所の農家は、耕作放棄地というのが増えて、ずっとほったらかしにしてるが、おやじが死んでも名義を変える人なんかいなかった。
ほっときゃ、知らんうちに誰のもんかわからんようになるからな。だけども、誰のものかわからん土地に産廃のゴミを捨てるのがおって、村は往生してるんよ。

このままここに住み続けるしかないのかのお。

そういっても、近所にスーパーもないし、医者も遠いんよ。

お父さんが車の運転ができるうちはいいけど、もうそれもできないから、引っ越そうかと言っていたのに。

運転くらいはまだできるわぃ。

お父さん、目がみえとらんようになってきたから、もう無理せんとき。あたりが暗くなったら運転なんかできよらんね。

このごろお年寄りの車がよく事故をしよる。東京のえらい人みたいな事故やられたら、わたしらも困るわ。

もうわかった。村役場に引き取ってもらおう。踏ん切りがついた。無料でいいわい。

でんわ

村役場です。

土地、建物の寄贈ですか。その地域は、ちょっと村で引き取るのは難しいです。その場所だったら、おそらく贈与税も相続税もかからないでしょうから、ご親類で引き継がれたらどうでしょうか。

解説者

昔は、地方自治体も土地の寄付を受け付けたことも多くあったようです。しかし、いまでは、自治体が使用するという明確な目的があるような土地でなければ無償でも引き取ってもらえません。それは固定資産税が、自治体が毎年運営をしていくための収入原として大きく位置づけられているからです。

ちょっとシミュレーションをしてみましょう。


お父さんの住宅兼工場は昭和55年(1980年)ごろに建てられた、土地建物あわせ実勢価格300万円の土地・建物だとします。もうすでに40年も経過していますから鉄筋コンクリート造でもない限り建物には価値がつきません。そうすると、売り出すとしても土地の値段だけということとなります。ここで建物も活用したいという買い手がいればいいのですが、なかなかそうはいきません。買い手が見つかったとしても、建物の解体費用を差し引いた額で買い取るということとなるでしょう。

解体の相場としては、木造住宅で坪あたり3万円、鉄骨やRC造りの住宅で約5万円といわれます。50坪くらいの家屋だとすれば、250万円くらいとなってしまい、大きな収益は見込めません。それ以前に、地方で過疎地域の土地ですと、買い手、借り手を見つけることさえ困難となります。その間、固定資産税を毎年支払ううえに、土地の管理のための費用を賄わなければならないといったデメリットとなってしまいます。

国の新制度、「土地所有権の国庫帰属制度」

しかし、10年分の負担金

そこで、国の新制度では、「土地所有権の国庫帰属制度」を新設し、相続の場合に限り、不要な土地を国が引き取るといった施策が開始されます。
 しかし、これにも条件があって、まず、更地にしておかなければなりません。つぎに、抵当権の設定がなく、隣人と境界争いない、土壌汚染もないとった様々な条件をクリアする必要があります。それに、国がその土地を管理するための費用10年分を。「負担金」として納めなければならないとされています。
さきほどの例では、仮にその負担金が年間50万円を超えてしまうと、その分、まったくの赤字となって相続人みんなで負担することになるというのです。

活用したい相続そうだん。

相続の問題はケースバイケース。ここで挙げた例は最近よくある事を示してみました。
相続そうだん室おかやまでは、こういったものでも活用したい人や企業を全国ネットの情報力で探しだしたり、また活用方法を見出したりと、利用者さまを全力サポートします。

 

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